天声人語より・・・ユリの香り   

つぼみがほころぶ様を、少し気取って花笑みと言う。笑う、の形容がぴったりなのは今が盛りのユリとされる。そり返って開く大ぶりの花からは、ドレスを翻して微笑(ほほえ)む女性が浮かぶ。〈百合(ゆり)ひらく匂(におい)袋を解くやうに〉南千恵子

▼揺れる衣装から、甘い霧が広がる。清楚(せいそ)に、はたまた妖艶(ようえん)に、むせるような芳香はこの植物の本性であろう。だからこそ、お見舞いの花束から外され、飲食の席にも飾りにくい

▼それではと、茨城県つくば市の花(か)き研究所が、ユリの香りを抑える技術を編み出した。においの生成を妨げる薬剤を水に溶かし、つぼみ段階の切り花に吸わせる。こうして咲かせた花のにおい成分は、通常の8分の1、人がほぼ感じない程度に収まったという

▼満面の笑みを「香水抜き」で楽しみたい向きには朗報である。におい消しの費用は切り花1本につき1円以下というから、十分商売になりそうだ。贈り物や冠婚葬祭での人気を見込んでか、すでに産地から問い合わせがあると聞く

▼野生の香りは鮮烈で、これからが花時のヤマユリあたりは、目より鼻で気づくことがある。本来の自己主張をうまく丸め込む工夫は、何ごとも控えめをよしとするこの国らしい。「好かれる花」を創(つく)るための技と執念には感服する

▼一方で微香のユリには、ノンアルコールの「ビール」にも似て、あるべきものを欠いた哀感が漂う。例えれば、真ん中に穴が開いたような寂しさである。つい、体臭や脂気に縁のない、すべすべの男性を思い浮かべては「草食系」の皆さんに怒られようか。
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写真はゆりの女王「カサブランカ」の花、、、今隣のお家で満開です。
沈丁花、クチナシ、金木犀など、花の香りにひかれてこれらの花が咲いている場面に出会うことがある。確かにゆりは香りがきつすぎて、お見舞いなどの花には向かないが、、、
香りのないユリとは・・・私的には首をかしげてしまうわ

  



きれいなユリの花はこちらから・・・
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by msroku | 2009-07-05 10:59 | 雑感

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